単板と合板について 柔らかさと触感

スモールマン。タイプの表板 出典:現代ギター2012年9月号

じゃあ合板のギターが無策かというとそういう訳でもなく、合板ギターの力木を見ると、単板のものより低かったり、少なかったりとそれ相応の工夫はしています。それでもナイロン弦でであの板を鳴らすのは、少なくても私はできないです。それこそスモールマンみたいに考え方を根源からひっくり返さないと難しい気がします。

ここまでのお話はナイロン弦に限った話で、スチール弦では別の理論があると思います(予防線)。実際、高級なクラシックギターとアコースティックギターの表板、ブリッジ回り付近を親指で押してもらうとわかるのですが(お店のギターではなく、ご自分のギターで)、クラシックギターの表板はとても柔らかく、軽く押しただけで動きます。

ギター製作では、ある程度の段階まで弦を張っていない状態で、弦を張った状態をイメージして仕上げていきますが、その際、タッピング(叩いて音を確かめる)だけではなく、さわって(押して)、その触感も大きな判断材料になります。そうして音を作っていく工程も、合板では調整できる範囲が合板では限られ、音を作るうえでは相当不利になります。

次項へ続く

単板と合板について 単板だから音がいいではない

クラシックギター用の表板合板

私の手元にクラシックギター用の単板と合板があります。ギター用の表板、単板と合板の材料比べたことがあるひとは、そんなに多くないと思いますが、さわってみると全く違います。単板はしなやかに曲がり、合板はびくともしません。これだけ硬いとそりゃ鳴らない・・・と書いちゃうと終わってしまうので、もう少し書き連ねます。

ギターの歴史をさかのぼると、どこからがギターという難題にぶつかる訳なのですが、それは別項に譲ります。比較的実物が現存している16世紀のバロックギターの表板には単板のスプルースが使われています。トーレスの時代になって、サイドバックの主流がメイプルからローズウッドに変わっても、スプルース単板が使われ続けました。

シダーもあるじゃん、とか細かい話は抜きにして、ギター(クラシックギター)は、スプルース(広く言うと針葉樹)単板でクラシック音楽にとって「いい音」を紡ぎだすことを目的に改良されてきました。つまり、合板という全く異質な材料を使っても、スプルース単板のお作法では、決していい音はでないと私は思うのです。

次項に続きます。

単板と合板について 常識とニューウェーブ

サイド材の合板。外側と内側で材の異なるもの

多分、このテーマだけで本が1冊かける(大げさ)ような内容かもしれません。基本的に無垢(いわゆる単板)材のほうが単価が高く、合板(集成材やベニヤ)のほうが安価とされており、総合板のギターより、表板単板、表板単板より、総単板の方が高価なギターというのが一般的な常識です。

ただ、例外も当然あるわけで、ラミレス1aなどは側板の内側にあえてシープレスの薄板を貼っています(私の知っている範囲で、すべてがそうとは限りません)。さらに近年になると、今までの常識を破るような名器が登場します。スモールマンは、弦の振動を表板側にロスなく返すため、あえてサイドバックに合板(それもかなり重い)を使用しているそうです(噂だけで弾いたことはない)。

スモールマンは表板は単板(単板というべきか突板というべきか)ですが、ダマンのダブルトップに至っては、表板の間にNomexハニカムコア(ハチの巣のようなシート)が挟み込まれている、ある意味合板を使用しています。こうしたニューウェーブ(新しい潮流)は、我々ののような古臭い常識を混乱させるのですが、それでもやはり単板でないとと私は思うのです。以下、次項に続きます。

ギターの材料について(making pzrlor guitarより転載)

 ギター製作は、ショップからキットを購入して作る方もいれば、ギター材店からある程度切り出された材から作る方(これが一番多い!?)、 銘木店(唐木屋)から大きな材を買って、自己乾燥し、切り出される方もいます。

一番手軽なのは、キットから作ることですが、それなりにコストはかかります。例えば、stew-macからローズウッドのギターキットを買えば、 送料込みで6万円+ペグ代になります(2009年9月7日時点。塗料、接着剤等々の消耗品や工具は別途)。

整形済み材で買っても結構費用はかかりますが、キットと違い、自分の気に入った材料を自由に使えますし、ある程度、形も自由になります。 銘木店から大きい材を買い切り出す方法なら、更に自由に材も選べますし、形も自由ですが、手間と時間は一番かかります(決して割安とも限 りません)。

購入した木材は、乾燥具合までわからない場合が多いので、しばらく寝かせておいて、自然乾燥させ、反りを出してやります。反りが出た後に 製材しますので、ぎりぎりの大きさの材では、使い物にならない場合があります。。

はじめに(その1)

写真:2013‎年‎5‎月‎20‎日 adam chan氏撮影

ギターを作り始めて20年以上(2000年~)、自工房(松ギター堂)を構えてから10年以上(2009年~)と結構な年数が経ちました。初めのころは、師匠から教わった方法をそのまま踏襲していたのですが、プロ、アマ問わず様々な製作家と知り合い、お話を聞いたり、実際に工房を訪ねたり、更に、本やネットで情報を見たりしているうちに、いろいろな方法が入り混じって、今となっては、どれが師匠に習った方法で、どれが人に教わった方法で、どれが自分自身で考えた方法なのか、まったくわからない有様です。

それでも、初期のころは、HPやblogに丁寧に製作記をupしていたので、まだ変遷もわかるのですが、昨今はinstagramやfacebookに写真upして終わりになってしまい、ほとんど記録も残ってない始末です。

それでも、展示会など出展すると、私の製作記を参考にギターを製作された方などが、ブースを訪ねてこられたりして、一度ちゃんとまとめなおさないと思いつつ、時間だけが過ぎてきたのですが、この度、体調を崩しまして、2週間程静養することになり(2022年2月17日~3月2日)、思わぬ形で、まとまった時間が手に入りました。

元々文章を書くのは苦にはならないのですが、記憶を一気に辿って瞬時に書き上げる程の気力は流石にないので、blogとして断片的に書き溜めていきたいと思います。思い出す順に書きますので、順不同、脈絡のない記事になると思いますが、10年も続ければ、大団円を迎えられるかもしれません。

 

ギターの歴史(1)

はじめに

先日(2021.07.14)三重県津市にあります「ホテルグリーンパーク津」で、ギター製作についてお話させていただく機会がありました。その時の記録を忘備録といてアップします。

昔、2年ほど津市にある法律事務所に勤務しており、その際、弁護士先生の講演資料とか、判例講釈の原稿等を書いていたので、引用はネットからではなく、本からが多く、それが逆に今では希少かもしれないので、何かの参考になればとおもいます。

インターネットで情報検索すると、出典の記載がなく、引用なのか、管理者の独自見解なのかが不明な情報がとても多いです(ウィキペディア等では出典不詳なものはその旨注釈がはいるようになり、信ぴょう性が上がりました)。

資料等の引用にあたっては、科学技術振興機構が作成したSIST(科学技術情報流通技術基準 url:https://jipsti.jst.go.jp/sist/)に基づく表記が論文等では推奨されているいるようです。

図書一冊の場合は、”著者名.書名.版表示,出版地,出版者,出版年,総ページ数,(シリーズ名,シリーズ番号),ISBN”あたりまでは、記載するようです(一部引用とする場合は、記載のページ数等も入れるようです)。

webの場合は”著者名.“ウェブページの題名”.ウェブサイトの名称.更新日付”あたりまでは記載するようです。また、ブログの場合はブログ名と更新日付をいれることが好ましいそうです。

さすがに個人のblogに、そこまで書く必要はないと、思うのですが、「出典:著者名. 書名. 出版者. 出版年」程度の表示はしておこうと思います(著作権問題にも巻き込まれたくないので)。

では、次回から、本文に入っていきます。

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