単板と合板について 単板だから音がいいではない

クラシックギター用の表板合板

私の手元にクラシックギター用の単板と合板があります。ギター用の表板、単板と合板の材料比べたことがあるひとは、そんなに多くないと思いますが、さわってみると全く違います。単板はしなやかに曲がり、合板はびくともしません。これだけ硬いとそりゃ鳴らない・・・と書いちゃうと終わってしまうので、もう少し書き連ねます。

ギターの歴史をさかのぼると、どこからがギターという難題にぶつかる訳なのですが、それは別項に譲ります。比較的実物が現存している16世紀のバロックギターの表板には単板のスプルースが使われています。トーレスの時代になって、サイドバックの主流がメイプルからローズウッドに変わっても、スプルース単板が使われ続けました。

シダーもあるじゃん、とか細かい話は抜きにして、ギター(クラシックギター)は、スプルース(広く言うと針葉樹)単板でクラシック音楽にとって「いい音」を紡ぎだすことを目的に改良されてきました。つまり、合板という全く異質な材料を使っても、スプルース単板のお作法では、決していい音はでないと私は思うのです。

次項に続きます。

単板と合板について 常識とニューウェーブ

サイド材の合板。外側と内側で材の異なるもの

多分、このテーマだけで本が1冊かける(大げさ)ような内容かもしれません。基本的に無垢(いわゆる単板)材のほうが単価が高く、合板(集成材やベニヤ)のほうが安価とされており、総合板のギターより、表板単板、表板単板より、総単板の方が高価なギターというのが一般的な常識です。

ただ、例外も当然あるわけで、ラミレス1aなどは側板の内側にあえてシープレスの薄板を貼っています(私の知っている範囲で、すべてがそうとは限りません)。さらに近年になると、今までの常識を破るような名器が登場します。スモールマンは、弦の振動を表板側にロスなく返すため、あえてサイドバックに合板(それもかなり重い)を使用しているそうです(噂だけで弾いたことはない)。

スモールマンは表板は単板(単板というべきか突板というべきか)ですが、ダマンのダブルトップに至っては、表板の間にNomexハニカムコア(ハチの巣のようなシート)が挟み込まれている、ある意味合板を使用しています。こうしたニューウェーブ(新しい潮流)は、我々ののような古臭い常識を混乱させるのですが、それでもやはり単板でないとと私は思うのです。以下、次項に続きます。

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